トマトは、野菜の中でもトップクラスの旨味成分を含んでいます。食べ方によっても旨味成分を増加できるため、好みにあわせて食べるのがポイントです。

旨味成分は食材のおいしさをアップさせるだけでなく、健康にも良い影響をもたらすため、上手に活用しましょう。この記事では、トマトに含まれている旨味成分について解説します。健康効果やおいしさを引き出すコツも紹介するので、参考にしてください。

トマト旨味成分は2つ

トマト

トマトには、グルタミン酸とグアニル酸2つの旨味成分が含まれています。

各旨味成分の特徴について解説するので、見ていきましょう。

グルタミン酸

トマトはグルタミン酸が150~250mgと、野菜の中では非常に多く含まれている野菜です。(可食部100gあたり)

グルタミン酸とはアミノ酸の一種で、さまざまな食材に含まれている旨味成分になります。グルタミン酸の主な効果は、以下の通りです。

  • 集中力や記憶力の向上
  • 疲労回復効果
  • 尿の排出促進
  • 脂肪の蓄積を抑制
  • 血圧低下

食材のおいしさを引き出すだけでなく、健康にも良い効果をもたらすのがグルタミン酸の特徴といえます。

グアニル酸

グアニル酸は、トマトをはじめとする一部の食品にのみ含まれている旨味成分です。干ししいたけや昆布、チーズなどに多く含まれており、グルタミン酸の旨味を長時間保持させるのが特徴になります。

グアニル酸の効果は一般的に知られていませんが、グルタミン酸との相乗効果によりおいしさが高められるのです。

旨味成分が与える健康効果

旨味成分はおいしさをアップさせるだけでなく、健康増進の効果があるため日々の生活に取り入れたい成分といえます。旨味成分が与える主な健康効果は、以下の通りです。

  • 満腹感の促進
  • カロリーコントロール
  • 味覚障害を軽減

旨味成分を上手に活用することで、食事のおいしさが増すため塩分制限が必要な方でも減塩が可能になり、健康的な食生活を維持できます。

また、旨味のあるものを食べることで唾液分泌を促し、味覚の感受性低下を防ぐ働きが期待できるでしょう。したがって旨味成分が豊富なトマトは、健やかな生活を送るのに欠かせない食材といえます。

トマトの旨味成分を引き出す方法

トマト 旨味 成分

トマトの旨味成分を引き出す方法を4つ解説します。

おいしさを最大限に引き出せるよう、見ていきましょう。

加熱調理する

加熱により、トマトに含まれるグアニル酸は約1.8倍に増加したと研究結果で明らかになりました。

研究結果によると、グアニル酸は50〜60度が増加に最適な温度といわれており、80度以上では増えないことがわかっています。

したがって、トマトの旨味成分を引き出したい場合は、低温でじっくり加熱するのが効果的です。

参照:トマトのうま味成分グアニル酸が加熱調理で増加 | 農研機構

赤く熟したトマトを使用する

トマトは真っ赤に熟した状態になるほど、旨味成分となるグルタミン酸が増えます。熟されるほどグルタミン酸が増加する理由は、酸の減少にともない、糖分が増えるためです。

グルタミン酸の含有量は品種や気候、栽培条件によって異なるものの、熟成前後で10倍ほど増えます。なお、トマトに含まれるグルタミン酸は、果肉部分よりゼリー部分に多い傾向です。

ピッコロ品種のミニトマトの事例によると、ゼリー部分に1650mg、果肉部で351mgと4倍ほど含有量に違いがあることが明らかになりました。したがって、旨味成分を引き出したい場合は、完熟したトマトのゼリー部分を使用するのが有効です。

参考:91 トマトのアミノ酸について

旨味成分の相乗効果を活かす

旨味成分を上手く活かした相乗効果により、トマトのおいしさが増します。旨味成分は単独ではなく、グルタミン酸とイノシン酸などの食材を組み合わせることで旨味の相乗効果が発揮されるためです。

トマトにはグルタミン酸とグアニル酸が含まれているため、例えばイノシン酸が豊富なかつおぶしを加えると、よりおいしさがアップするでしょう。

トマトの味わいを深めたい場合はほかの食材を組み合わせて、相乗効果を発生させるのが効果的です。

ドライトマトトマトを活用する

トマトを乾燥させると、グルタミン酸が増加します。乾燥により水分が減り、グルタミン酸が濃縮されるためです。また、乾燥させることでグアニル酸も生成されて、おいしさがさらにアップします。

ドライトマトを水に入れて煮るだけで、トマトの旨味がギュッと凝縮されたスープが完成するため、使い方も簡単です。なお、ドライトマトは以下の手順で作れます。

  1. トマトを洗ってヘタを取りスライスする
  2. 種を取り除く
  3. 表面の水分を拭き取って塩を振る
  4. 140℃のオーブンで1時間ほど焼く
  5. 水分を拭き取り、さらに15~30分ほど焼く
  6. 風通しの良い場所で乾かす

料理に活用し、トマトのおいしさを引き出しましょう。

まとめ

トマトは野菜の中でも旨味成分となるグルタミン酸が豊富です。また、一部の食材にのみ含まれているグアニル酸が入っているのも、トマトの特徴になります。

トマトの旨味成分を引き出す方法として、完熟させたトマトを使用したり加熱調理したりするのが有効です。また、トマトはゼリー部分にグルタミン酸が多く含まれているため、上手く活用するのがポイントになります。

食材のおいしさを引き立たせるだけでなく、健康にもうれしいトマトの旨味成分を引き出しましょう。


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