白菜は鍋に欠かせない食材の一つで、寒い時期には常に冷蔵庫にストックしているという家庭も多いのではないでしょうか。健康によい効果をもたらすため、白菜は積極的に摂取するのがおすすめです。

この記事では、白菜に含まれる栄養効果を解説します。おすすめの食べ方や食べ過ぎによるデメリットも紹介しますので、参考にしてください。

白菜に含まれる主な栄養素と健康効果

白菜に含まれる主な栄養素と、健康効果について紹介します。

健康にうれしい白菜に含まれる栄養の特徴を見ていきましょう。

イソチオシアネート|抗ガン作用が期待できる

イソチオシアネートとは白菜や大根、わさびなどアブラナ科野菜に含まれる辛み成分のことで、ガン抑制作用が期待できます。

中村宜督氏の論文「イソチオシアネートによるがん予防の可能性」では、イソチオシアネートには発がん物質の排出を高める作用があることが報告されています。

また、ガン抑制効果だけでなく消化促進や殺菌作用などの効果が期待される点もイソチオシアネートの特徴です。

参照:J-Stage|イソチオシアネートによるがん予防の可能性

ビタミンC|美容にうれしい効果が働く

ビタミンCとは水溶性ビタミンの一つで、筋肉や臓器、皮膚などをつくるたんぱく質となるコラーゲンの生成に欠かせない栄養素です。身体をつくるのに欠かせない栄養素のほか、ビタミンCはメラニンの色素の生成を抑える働きが期待されています。

そのため、日焼け防止やシミ予防など美容にもうれしい効果が見込めます。また、ビタミンCは強い抗酸化作用を持っており、動脈硬化や老化予防にも期待できる点が特徴です。

ビタミンCの摂取量が少なければ、老化が早まるといわれています。実際に東京都健康長寿医療センター研究所が行った実験によると、ビタミンCが不足したマウスの平均寿命は約1/4に短縮していたことが明らかになりました。

ビタミンCが不足したマウスが体重減少や臓器の萎縮など、老衰に似た状態に陥っていたことから、ビタミンCは健康に必須の栄養素といえます。

参照:地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター研究所|ビタミンCが足りないと老化が進む!?

葉酸|赤血球を作る

葉酸は、ビタミンB群に属する水溶性ビタミンです。ビタミンB12とともに赤血球を生成する働きを持つ葉酸は、造血のビタミンとも呼ばれています。

たんぱく質の生成を促進し細胞をつくるサポートをしているため、身体の発育に重要な役割を担っている点も、葉酸の特徴です。

また、葉酸は胎児の正常な発育にも欠かせません。赤血球の生成や胎児の発育に必要なだけでなく、動脈硬化予防や心疾患リスク低下にもつながるため、葉酸は積極的に摂取したい栄養素です。

ビタミンK|骨粗しょう症の予防に役立つ

ビタミンKは脂溶性のビタミンで、骨づくりをサポートするのに必要な栄養素です。骨を形成するたんぱく質となるオステオカルシンを活性化させ、カルシウムの吸収率を促進する役割を担っています。

そのため、ビタミンKは骨粗しょう症の治療薬としても使用されている点が特徴です。女性は特に加齢や女性ホルモンの低下によって、骨密度が減っていきます。

骨密度をアップさせるためにも、骨づくりに欠かせない栄養素となるビタミンKの摂取が重要です。

食物繊維|便秘解消効果が見込める

白菜には食物繊維が豊富に含まれており、腸内環境を整える働きが期待できます。食物繊維には、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の2種類があります。

白菜に多く含まれている不溶性食物繊維は便のカサを増やし、蠕動運動(ぜんどううんどう)により腸を刺激して便通を促す効果を持っている点が特徴です。

便秘になると、肌が荒れる原因となります。便秘や便の量が少ないとお悩みの場合は、不溶性食物繊維が豊富に含まれている白菜を食べるのがおすすめです。

白菜をどれくらい食べたら食べ過ぎになる?

白菜は、1日に多くても200gを目安に摂取しましょう。成人1日当たりの野菜摂取量目標は350gで、うち淡色野菜は230g必要といわれています。

白菜の葉っぱは1枚当たり70~80gほどのため、中サイズの白菜の葉2~3枚分を目安に食べるのがおすすめです。

なお、過去には1日1kg~1.5kgほどの白菜を数ヶ月にわたって生で食べた女性の甲状腺機能が低下し、昏睡状態になったという報告がされています。これは白菜などのアブラナ科に含まれるグルコシノレートの一部が甲状腺ホルモンの合成を阻害するからと考えられています。

健康によいといっても、白菜を食べすぎると悪影響を及ぼします。白菜だけを過剰に摂取せず、ほかの野菜と組み合わせてバランスよく食べましょう。

参照:Linus Pauling Institute|アブラナ科の野菜

白菜の栄養効果を逃さないおすすめの食べ方

白菜 栄養 効果
Fresh Chinese cabbages and other products on black textured table

白菜の栄養効果を逃さないおすすめの食べ方は、以下の通りです。

  • サラダにして生で食べる
  • 漬物や浅漬けにする
  • 電子レンジで加熱調理する
  • 煮込み料理にする

白菜を代表する栄養素となるビタミンCや葉酸は水溶性のため、水にさらしすぎてしまうと栄養を逃してしまいます。水溶性ビタミンを逃さない食べ方として、サラダや漬物にして食べるのがおすすめです。

また、煮込み料理にして汁ごと食べると、水に流れ出た栄養を逃さず摂取できます。なお、白菜に含まれているビタミンKを効率的に摂取したい場合は、油と一緒に取る方法が効果的です。ビタミンKは脂溶性のため、油と一緒に摂取することで吸収率を高められます。

まとめ

白菜にはがん予防や骨粗しょう症予防、便秘解消効果など健康にうれしい栄養が豊富に含まれています。健康のためにも白菜を摂取するのがおすすめですが、過剰にとりすぎると悪影響となる可能性もあるため、1日200gほどを目安に食べましょう。

また、白菜は水溶性ビタミンを多く含んでいます。せっかくの栄養を逃さないよう、サラダやスープ、漬物にして食べるのが効果的です。栄養満点の白菜を、ぜひ毎日の食卓に取り入れてください。


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