チンゲン菜はクセがないため、和洋中どの料理にも取り入れやすい野菜です。そんなチンゲン菜には、鉄分が多く含まれています。
鉄分は日本人が不足しやすい栄養となるため、積極的に食卓に取り入れるのがおすすめです。この記事では、チンゲン菜に含まれている鉄分の効能を解説します。
鉄分の吸収率を高める食べ方も紹介するので、チンゲン菜に含まれている栄養を知りたい方は参考にしてください。
チンゲン菜は鉄分が豊富
チンゲン菜は、鉄分が豊富な野菜です。
ここでは、鉄分の効能や種類について解説します。
鉄分の効能
鉄分は、赤血球中のヘモグロビンを作る役割を担うミネラルの一種です。鉄分が不足するとヘモグロビンが減り、全身に酸素が行き届かない状態となります。
そのため、集中力の低下や頭痛、食欲不振などの貧血症状を引き起こす可能性があります。なお、鉄分は日本人が不足しやすい栄養素の一つです。
特に女性は、月経や妊娠などの影響により鉄分が不足してしまいがちになります。また、過度なダイエットや偏食も鉄分が不足する要因といえます。健康を保つためにも、鉄分が豊富な食材を積極的に摂取しましょう。
チンゲン菜に含まれている鉄分は非ヘム鉄
食品に含まれている鉄分は、ヘム鉄と非ヘム鉄の2種類です。ヘム鉄はレバーや赤身魚など、主に肉や魚に多く含まれています。
対して、非ヘム鉄は野菜や卵、牛乳などに豊富に含まれる鉄分です。つまり、チンゲン菜には非ヘム鉄が多く含まれています。
ヘム鉄と非ヘム鉄の違いは、吸収率です。ヘム鉄は非ヘム鉄の5倍ほど吸収率が高いといわれています。非ヘム鉄の吸収率はヘム鉄に比べて低いですが、食べ方によっては吸収率を高められます。
そのため、鉄分をとりたい場合はヘム鉄ばかり食べるのではなく、非ヘム鉄の食材も取り入れ、バランスよく食べることがポイントです。
非ヘム鉄が含まれているチンゲン菜以外の野菜
非ヘム鉄が含まれている野菜は、チンゲン菜以外にもあります。代表的な野菜は、以下の通りです。
可食部100gあたり
パセリ(生) | 7.5mg |
小松菜(生) | 2.8mg |
枝豆(生) | 2.7mg |
ほうれん草(生) | 2.0mg |
春菊(生) | 1.7mg |
ブロッコリー(生) | 1.3mg |
なお、チンゲン菜に含まれている鉄分の含有量は1.1mg(可食部100gあたり)です。上記の野菜に比べると少ないものの、野菜の中では鉄分が豊富に含まれています。
チンゲン菜に含まれている鉄分の吸収率を上げる食べ方
チンゲン菜に含まれている鉄分の吸収率を上げる食べ方を3つ紹介します。
非ヘム鉄の吸収率を高められるよう、チェックしてみましょう。
たんぱく質を含む食材と一緒に食べる
チンゲン菜に含まれている非ヘム鉄は、動物性のたんぱく質と一緒に食べると吸収率が上がります。動物性のたんぱく質と鉄が結びつくことで、腸からの吸収を促せるためです。
また、たんぱく質はヘモグロビンの材料となるため、貧血予防にも効果的な食材といえます。動物性のたんぱく質が多く含まれる食材は、以下の通りです。
- 赤身肉などの肉類
- サケやカツオなどの魚介類
- 卵
- 牛乳 など
チンゲン菜と鶏むねの豆乳スープや、サケと組み合わせた中華炒めなどがおすすめです。
ビタミンCを含む食材と一緒に食べる
非ヘム鉄は、ビタミンCと一緒に食べると吸収率を高めます。ビタミンCの含有量が多い野菜は、以下の通りです。
- パプリカ
- ブロッコリー
- ケール
- キャベツ など
ただし、ビタミンCは水溶性のため、水にさらしすぎてしまうと栄養が流れでてしまいます。スープにして汁ごと食べたり、生食したりとビタミンCを逃さないよう注意しましょう。ケールとチンゲン菜を組み合わせて、スムージーにするのも効果的です。
胃酸の分泌を高める食材と一緒に食べる
非ヘム鉄は、胃酸が分泌されると吸収率が高まります。胃酸の分泌を促す方法には、よく噛んで食べるだけでなく、酸っぱいものを食べるのも効果的です。
胃酸の分泌を高める食品には、以下のものがあります。
- 漬物や塩辛など、食塩が多く含まれている食品
- 酢の物や柑橘類など、酸味が強い食品
- 唐辛子などを使った辛い食べもの
チンゲン菜を使った酸辣湯や唐辛子炒めなどもおすすめです。ただし、胃の調子が悪いときは、辛い食べものを食べるのは控えましょう。
鉄分の吸収を妨げる食品
非ヘム鉄の吸収を妨げる食品もあるため、チンゲン菜から鉄分を摂取したい場合は組み合わせるのを避けましょう。吸収を妨げる食品は、以下の通りです。
- コーヒーや紅茶に含まれるタンニン
- 玄米や大豆などの穀物の外皮に含まれるフィチン酸
- いも類やきのこ類などの不溶性食物繊維
- インスタント食品や加工肉に含まれるリン酸ナトリウム
吸収率を低下させないよう、チンゲン菜を食べる際はタンニンを含む飲み物ではなく、水を飲むなど一緒にとらないよう注意するのがポイントです。
まとめ
チンゲン菜は、非ヘム鉄が豊富に含まれている野菜です。鉄分が不足すると、貧血により頭痛や疲労などを引き起こす可能性があるため、毎日の食卓に取り入れることがポイントです。
非ヘム鉄の吸収率を高めるには、動物性のたんぱく質やビタミンCを多く含む食品と組み合わせるのが効果的です。
また、胃酸の分泌量を増やすのも吸収率を上げる方法となるため、よく噛むことを意識してみてください。鉄分が多く含まれているチンゲン菜を食べて、貧血を予防しましょう。
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