きゅうりは夏野菜の一つで、水分が多くシャキシャキとした歯応えが特徴です。みずみずしさからサラダや野菜スティックなどで使用されることも多いですが、なかには体を冷やすため気になる方もいるのではないでしょうか。

冷えが気になる方にとって、体温を下げる食材は避けたいものです。そこで、この記事ではきゅうりが体を冷やす野菜といわれている理由を解説します。

体温を下げない食べ方も紹介するので、おいしくきゅうりを食べたい方は参考にしてください。

きゅうりが体を冷やす理由とは

きゅうりが体を冷やすといわれている理由を、薬膳と栄養学2つの観点から解説します。

それぞれ見ていきましょう。

薬膳で体を冷やす働きのある食材に分類されるため

きゅうりは、薬膳で体を冷やし鎮静させる「涼性」に分類されます。涼性とは、食べ物がもたらす作用にかかわる5つの性質となる五性の一つです。

そもそも薬膳とは、健康的な体作りの促進を目的とした中医学の考えに基づいた食事のことです。薬膳できゅうりは、暑さやほてりなどが気になる際におすすめといわれています。すなわち、きゅうりは薬膳の観点を理由に、体を冷やす食材といわれています。

体を冷やす作用を持つ栄養が含まれているため

きゅうりには体を冷やす作用を持つカリウムが豊富に含まれています。

カリウムは、体内の余分なナトリウムを体外へ排出する働きが期待されています。余分なナトリウムを体外へ排出するよう、利尿作用を促進しているのが特徴です。

利尿作用により体内の水分を減らしてしまうため、体が一時的に冷えやすくなります。また、きゅうりは95.4%が水分です。(可食部100gあたり)

水分が多い野菜も、体を冷やす原因と考えられています。つまり、きゅうりは水分量とカリウムの多さにより、体を冷やす可能性があるのです。

きゅうりで体を冷やさない食べ方3選

きゅうりで体を冷やさない食べ方を3つ紹介します。

メニューのレパートリーを増やす機会にもなるため、見ていきましょう。

体を温める食材と一緒に食べる

体を温める食材と一緒に食べると、冷えの抑制が期待できます。きゅうりが体を冷やすといわれているように、温める食材もあるためです。

体を温める野菜は、以下の通りです。

  • ねぎ
  • しょうが
  • にんじん
  • れんこん
  • ごぼう
  • 唐辛子 など

例えば、きゅうりとしょうがを和えるだけでも、冷えを抑えやすくなるでしょう。また、にんじんやごぼうが入った味噌汁と一緒にきゅうりを食べると、体が温まりやすくなります。

加熱調理する

きゅうりを加熱調理するのも、体を冷やさない食べ方として効果的です。とはいえ、きゅうりを加熱調理すると水分が出てしまい、料理全体の味が薄くなってしまう場合があります。

きゅうりを加熱調理するときのポイントは、以下の通りです。

  • 加熱前に下処理をする
  • 強火でサッと調理する
  • オイスターソースやごま油、醤油で味つけする

きゅうりを下処理しておくと、加熱する際に水が出すぎるのを防げます。下処理の際はきゅうりに塩を振って放置し、キッチンペーパーで水分をきちんと拭き取ります。

きゅうりの加熱調理のコツを押さえることで、料理のレパートリーが増えるため、ぜひ作ってみましょう。

スープにする

きゅうりをスープに入れると、生食とは異なるほどよい食感を楽しめます。スープにより体を温められるため、冷え対策になるのもポイントです。

きゅうりは和洋中どのスープにしてもおいしく食べられるため、好みにあわせて作れます。例えば、きゅうりと卵を使った中華スープや、きゅうりを角切りにしたコーンスープなどもおすすめです。

ほかの食材と一緒に食べられるため、効率良く野菜を摂取したいときにもピッタリなメニューといえます。

きゅうり以外に体を冷やす野菜

玉ねぎ 冷蔵庫 ダメ

きゅうり以外にも、体を冷やす野菜があります。体を冷やす野菜は、以下の通りです。

  • レタス
  • キャベツ
  • 白菜
  • ほうれんそう
  • トマト
  • なす
  • ゴーヤ など

バナナやスイカ、梨などの果物も体温を下げる食材に分類されます。きゅうりと組み合わせると体を冷やしてしまう可能性があるため、メニューを検討する際は調理方法や食材にも工夫が必要です。きゅうり以外にも、体を冷やす野菜があることをあわせて覚えておきましょう。

まとめ

きゅうりが体を冷やすといわれている理由として、栄養学の観点からは水分量とカリウムが原因と考えられています。しかし、栄養学においてきゅうりが体を冷やすという根拠が存在しない点についても、覚えておきましょう。

とはいえ、薬膳ではきゅうりが体を冷やす食材に分類されています。体を冷やすことが気になる場合は、体温を上げる食材と一緒に食べたりきゅうりを加熱したりするのがおすすめです。

また、レタスやなすなどの夏野菜も体を冷やす野菜といわれているため、目的にあわせて食材を組み合わせるのがポイントです。体を冷やすといわれる理由や対策を踏まえたうえで、きゅうりをおいしく食べましょう。


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