容器に入ったドレッシングをかける前に、振っている方は多いのではないでしょうか。しかし、なぜ振るのかわからないままドレッシングをシェイクする方も少なくありません。 ドレッシングを振る理由は、油と水を混ぜ合わせて食材と絡みやすくするためです。この記事では、ドレッシングを振る理由について解説します。乳化の原理や振り方のポイントもわかるので、さっそく見ていきましょう。
ドレッシングを振る理由は油分と水分を混ぜ合わせるため
ドレッシングをかける前に容器を振る理由は、油分と水分を混ぜ合わせないと油ばかりが食材にかかってしまうためです。
一般的に、ドレッシングにはオリーブオイルやごま油などの油分と、りんご酢や穀物酢といった酢もとい水分が入っています。
水と油は異なる性質を持っているため、混ざりません。しかし、本来混じり合わない物質同士が均一に混ざり合うよう、乳化させることを目的としてドレッシングを振ります。
ここからは、乳化の原理について詳しく解説するのでぜひ参考にしてください。
乳化とは
乳化とは、水と油のように本来混ざり合わない物質同士が均一に混ざる現象のことです。一般的に、水と油を混ぜようとしても2層に分離してしまいます。
2層に分離する理由は、油は油、水は水といったように、物質同士が引き合おうとする「分子間力」が働いた結果、水と油の間に界面と呼ばれる境界面ができるためです。そのため、油の分子は界面を挟んだ水の分子側ではなく、反対となる内側にある仲間の分子（油の分子）に引き寄せられ、油と水は分離した状態となるのです。
しかし、分離した状態でも油と水の入った容器を振ることで分子同士が小さく分散され、乳化しやすくなります。乳化は一時的に混ざり合っている状態のため、しばらくすると再び分子力が働き、油と水に分離されます。
マヨネーズが分離しない理由
マヨネーズの原料は酢と油、卵でドレッシング同様に乳化されているものの、分離しません。マヨネーズが分離しない理由は、卵が油と水を結ぶ役割を担っているためです。
卵黄に含まれている「レシチン」と呼ばれる成分は、油と水を混ざりやすくする「界面活性剤」としての性質を持っています。
界面活性剤が油のまわりに膜を張り、水の中に長時間いても分離させないようにしてくれているのです。つまり、卵黄が油と水の仲介役となっているため、マヨネーズは分離しません。
なお、マヨネーズを家庭の冷凍庫に入れると油が結晶化し、油まわりの膜が破壊されるので、乳化前の状態に戻ってしまいます。
凍らしたマヨネーズを解凍すると、きれいに油と水に分離された状態となりますが、ドレッシングのように振っても元のマヨネーズの状態に戻りません。
ドレッシングを乳化するメリット
ドレッシングを乳化するメリットは、以下の通りです。
● とろみをつける
● 舌触りをよくする
● 品質を均一化させる
● 長期保存ができる
ドレッシングを乳化することで、とろみがついて舌触りがよくなります。乳化しなければ油と水で分離されているため、野菜にかけると油っぽい、または水っぽくなり、おいしくありません。
乳化によりドレッシングが食材に絡みやすくなるだけでなく、油と水の質を均一にできるのでおいしさが増すのです。
ドレッシングの上手な振り方
容器に入っているドレッシング内の物質を均一化させるためには、振り方にコツがあります。ドレッシングを振る際は、縦ではなく横に振るのがポイントです。これは横に振る方が液体の動きが激しくなるためです。
手首のスナップをきかせて素早く左右に振りましょう。横に振ることで再び分離するまでに時間がかかるため、物質が混ざり合った状態でドレッシングをかけられます。
一方、縦に上下させてドレッシングを振ると分離する時間が早く、再びかけようとすると油部分だけが出てきてしまう可能性があるでしょう。
振った直後はわかりにくいですが、時間の経過とともに違いが分かりますので、ドレッシングを使う際は左右に振ってみてください。
ドレッシングを保存するときのポイント
開封前のドレッシングは、直射日光を避けて涼しい場所で保存できれば常温でも問題ありません。
油は光に弱いため、直射日光が当たる場所に置くと酸化を早めてしまいます。おいしさを損ねないよう、冷暗所に保存するのがポイントです。
また、開封後はドレッシングが空気にふれて細菌が繁殖しやすく、腐敗や食中毒を引き起こす可能性があるため冷蔵保存が推奨されています。開封後は日が経つにつれて味が落ちていくので、1ヶ月を目安に使い切りましょう。
まとめ
ドレッシングを振る理由は、油と水を均一に混ぜ合わせて食材に絡みやすくするためです。振らなければドレッシングに含まれる物質が混ざり合わず、油っぽい状態となってしまいます。
なお、ドレッシングを左右に振ると再び分離するまでに時間がかかるため、おいしい状態をキープ可能です。
ドレッシングのおいしさがアップできるよう、左右に振って乳化させてから食材にかけましょう。
＼自然豊かな淡路島の野菜をご自宅で／
淡路島の農家「野口ファーム」では全国の皆様に新鮮なお野菜をお届けしています。
美味しいお野菜を届けるために、365日真心込めて育てています。
四季折々のお野菜を、ぜひご自宅でお楽しみください^ ^
