淡路島は、日本を代表する玉ねぎの産地として有名です。淡路島の玉ねぎは全国的に知られているものの、なぜ有名なのだろうと疑問を抱く方もいるのではないでしょうか。おいしさの秘密は、淡路島独自の栽培方法を取り入れているためです。

この記事では、淡路島の玉ねぎがなぜ有名なのか、おいしさの秘密を解説します。ブランド化に至るまでの歴史についてもわかるので、淡路島の玉ねぎが有名な理由を知りたい方はぜひ参考にしてください。

淡路島の玉ねぎはなぜ有名?

淡路島の玉ねぎが有名な理由は、一般的な玉ねぎと比べて甘くやわらかいためです。実際に淡路島の玉ねぎが甘くやわらかいことは、科学的にも実証されています。

兵庫県立農林水産技術総合センターの調査によると、淡路島の玉ねぎは糖度が約9〜10%、破断応力は約500〜600gです。一方、北海道産や米国産の糖度は約8%、破断応力は950〜1,000gであることがわかっています。

破断応力が大きいほど硬いため、淡路島の玉ねぎはやわらかいと研究結果で明らかになりました。研究結果からもわかるように、淡路島の玉ねぎは甘くみずみずしいのです。

参考:【成果パネル】「淡路島たまねぎ」おいしさの秘密は甘さと柔らかさ H22-19

淡路島の玉ねぎがおいしい3つの理由

淡路島の玉ねぎがおいしいといわれる理由を3つ解説します。日本を代表する玉ねぎの産地と呼ばれる理由についての理解を深めていきましょう。

玉ねぎが育ちやすい気候

淡路島は年平均気温が15度程度と温暖な地で、玉ねぎを育てるのに適した気候条件が揃っています。玉ねぎの生育適温は15〜20度といわれており、淡路島は日照時間が長く、冬場でも極端な寒さはありません。

さらに、年によって異なりますが、瀬戸内気候のため年間を通じて降水量は少ない傾向です。

温暖・多照・少雨の3つの気候条件が揃う淡路島は、玉ねぎを栽培するのに適した地域です。

おいしさを生み出す土壌

淡路島の玉ねぎは、海のミネラルを豊富に含んだ土壌で栽培されています。

淡路島は大阪湾と播磨灘(はりまなだ)、紀伊水道に囲まれており、さらに南北には2つの海峡があるためです。

また、淡路島の土壌は水はけのよさも特徴といえます。水はけがよい理由から玉ねぎに余分な水分が吸収されず、甘みと栄養分が凝縮され、おいしさが増すのです。

淡路島ならではの栽培方法

淡路島の玉ねぎは秋ごろ田んぼに植え付けて、春に収穫します。一般的な玉ねぎに比べて栽培期間が長く、太陽の光を浴びてゆっくり成長を進めていくのが特徴です。

また、淡路島の玉ねぎは葉が倒れる収穫期のサインから1週間ほど田んぼで完熟させたのち収穫します。

収穫後2~3ヶ月は、玉ねぎ小屋と呼ばれる屋根付きの屋外施設に玉ねぎを吊るした状態で貯蔵します。玉ねぎ小屋は、淡路島独自の手法です。

風通しのよい玉ねぎ小屋に貯蔵することで、水分が抜けて糖度が増します。さらに、太陽光を長い時間浴びるため、玉ねぎに多く含まれるケルセチンの含有量が増えるのも淡路島の玉ねぎのおいしさの秘密です。

なお、玉ねぎ小屋で自然乾燥させた玉ねぎは甘みが増し、ケルセチンの含有量を1.5倍に高めることが研究で明らかにされています。
参考:日本農業遺産

淡路島の玉ねぎの歴史

淡路島で玉ねぎの栽培がはじまったのは、1888年(明治21年)といわれています。アメリカから輸入した種子を賀集村(現・南あわじ市)で試作したのがきっかけですが、当時は栽培が上手くいきませんでした。

1923年(大正12年)には本格的な育成がはじまり、戦後は食の洋風化にともない、淡路島内で栽培が広がりました。

1964年(昭和39年)頃になると栽培面積は3,000ヘクタールを超え、淡路島は日本有数の玉ねぎ産地になります。

さらに、2021年(令和3年)には「南あわじにおける水稲・たまねぎ・畜産の生産循環システム」が日本農業遺産として認定を受け、ブランド化に成功しました。約130年もの年月を経て、淡路島の玉ねぎは全国的なブランドとして有名になったのです。

淡路島の玉ねぎがおいしい時期

淡路島の玉ねぎは、時期によって異なるおいしさを楽しめます。特徴を踏まえたうえで、好みの玉ねぎを選びましょう。

早生(わせ)

早生(わせ)は、4月上旬〜5月頃に収穫される「新玉ねぎ」と呼ばれる品種です。色が白く、加熱するととろけるほどやわらかい肉質が特徴といえます。乾燥時間が短いためその分水分を多く含んでいます。

玉ねぎ特有の辛み成分が少なく、サラダなど生で食べるのに最適です。なお、早生は貯蔵しにくい品種のため、早めに食べ切る必要があります。

中生(なかて)

中生(なかて)は、5月中旬頃に収穫される品種で、球体に近い見た目です。淡路島で最も収穫されている種類です。みずみずしさとやわらかさが特徴で、加熱すると甘みが増すため、炒めものやスープにするのに適しています。

晩生ほどではありませんが、保存も可能です。みずみずしさと甘みを感じたいときは、中生を選ぶとよいでしょう。

晩生(おくて)

晩生(おくて)は、6月上中旬頃に収穫される品種で、甘みと辛みのバランスの良さが特徴です。最も糖度が高いため、加熱して食べると玉ねぎ特有の甘みを存分に感じられます。

煮込み料理やグリルにして食べると、甘さやコクが引き立つのでおすすめです。長期保存が可能なため、長持ちする玉ねぎを選びたいときにも適しています。

まとめ

一般的な玉ねぎに比べて甘くやわらかいことが、淡路島の玉ねぎが有名な理由です。淡路島の風土と伝統的な栽培方法により、余分な水分が吸収されず甘みが凝縮した玉ねぎが生まれます。

栄養とおいしさを最大限高められるよう、時間と手間をかけているのが淡路島の玉ねぎの魅力です。全国的なブランドとしても有名な淡路島の玉ねぎを、ぜひ食べてみてください。


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