甘い野菜といえば、トマトを思い浮かべる方もいるのではないでしょうか?

近年では、糖度の高いフルーツトマトも多く出回るようになりました。

フルーツと呼んでいるなら、トマトは果物に分類されるのでは、と疑問に感じた方もいるかと思います。

日本においてトマトは果物ではなく野菜に分類さるのですが、実のところ国によっては果物に分類されていて、アメリカでは裁判が起こったほどトマトの分類は難しいのです。

この記事では、トマトが野菜に分類される理由について解説しているので、ぜひ読んで理解を深めていきましょう。

トマトは野菜と果物どちらに分類される?

トマト 野菜 果物

トマトは果物ではなく、野菜に分類されます。

野菜に分類される理由について、詳しく解説していきましょう。

日本においてトマトの分類は野菜

農林水産省総務省では、トマトを野菜として扱っているので、日本においてトマトは野菜に分類されます。

野菜生産出荷安定法では、消費量が多いと見込まれている指定野菜14品目のなかにトマトが含まれており、指定野菜とされる14品目の野菜は以下の通りです。(令和3年5月7日時点)

● キャベツ
● きゅうり
● さといも
● だいこん
● たまねぎ
● トマト
● ナス
● にんじん
● ねぎ
● はくさい
● ばれいしょ
● ピーマン
● ほうれん草
● レタス

また、総務省では、日本標準商品分類の野菜区分にトマトが含まれています。
日本標準商品分類とは、統計調査の結果を商品別に表示する場合の統計基準として設定したものです。

日本標準商品分類の野菜区分例は、以下の通りです。

根菜類:だいこん、かぶ、にんじん、ごぼう、ばれいしょ等
葉茎菜類:はくさい、キャベツ、ねぎ、たまねぎ、こまつな等
果菜類:きゅうり、かぼちゃ、トマト、なす、ピーマン、スイートコーン等
香辛野菜およびつまもの類:わさび、しょうが、とうがらし、うめ、食用ぎく等
果実的野菜:いちご、メロン、すいか等

農林水産省と総務省の区分により、日本においてトマトは野菜に分類されています。

野菜と果物における農林水産省の見解

実は野菜と果物の分類について、農林水産省ではっきりとした定義がありません。
生産分野において、以下の特性をもつ植物が野菜といわれています。

1.田畑で栽培されるもの(山野で採れるものは山菜に分類)
2.副食物であること(ご飯のおかずとなるもの)
3.加工を前提としないこと(こんにゃくなど加工を前提とするものは野菜の分類ではない)
4.草本性であること(木になるものは野菜ではない)

とはいえ、野菜の定義は一律のものではないため、目的によって異なります。
卸売市場では、野菜と果物を分類する際にスイカやイチゴなどは果物として分けられるときもあるからです。

そのため、野菜と果物における分類の定義ははっきりしていないのです。

野菜と果物の違いとは?

そもそも、野菜と果物の違いは何でしょうか。

野菜とは、一般的に食用となる植物の総称です。

苗を植えてから1年で収穫する草本植物を指します。

果物と呼ばれる定義には、2つの条件が必要です。

1.2年以上栽培する草本植物および木本植物
2.果実を食べるもの

トマトはナス科の果菜類と呼ばれており、果実を食べるものですが、1年で収穫できます。
少しややこしいのですが、果物の条件である「2年以上栽培する草本植物」をクリアしていないのです。

一般的に果物と言われていないは2つの条件に該当するため、果物です。
逆に果物のイメージをもつメロンやイチゴ、スイカは、一年草草本植物のため野菜に分類されます。

収穫期間によって分類が異なり、トマトは野菜に該当するのです。

栄養成分が異なる

野菜と果物は、栄養成分にも大きな違いがあります。

どちらもビタミンミネラル食物繊維が豊富に含まれていますが、栄養成分の種類が違うのです。

果物はビタミンCを多く含んでいますが、野菜ほど多くの種類のビタミンはとれません。

とくに注目するポイントは、緑黄色野菜に多く含まれるβカロテンです。

βカロテンは、体内に取り込まれてビタミンAに変換されます。

βカロテン含有量(可食部100gあたり)

トマト540μg
りんご22μg
バナナ42μg
キウイ53μg

ビタミンが豊富なキウイでも、βカロテンの含有量はトマトに比べると少ないことがわかります。

βカロテンは、多くの野菜に含まれる栄養です。

栄養成分の観点から見ると、トマトは野菜に分類されるといってもよいでしょう。

トマトの分類は国によって異なる

トマト 野菜 果物

日本でトマトは野菜として扱われていますが、国によって分類が異なります。

トマトの分類
日本:野菜
アメリカ:野菜
中国:大きいトマトは野菜、ミニトマトは果物
台湾:果物
フランス:果物
イギリス:果物

トマトを果物と分類する国も多いようですね。
中国や台湾では、果物の売り場にトマトが売られています。

また、日本の屋台で見かけるリンゴ飴やイチゴ飴のように、台湾の屋台ではトマト飴が売られているのです。

トマトを果物として扱う国も多く、どちらが正解というわけではないのです。

トマトは野菜か果物かで裁判がおこった

トマト 野菜 果物

アメリカでは、19世紀にトマトの分類は野菜か果物かをめぐって裁判がおこりました。

どのような判決になったのかご紹介します。

トマトが野菜か果物かをめぐる裁判とは

アメリカでは19世紀に、トマトが野菜か果物かをめぐるニックス・ヘデン裁判と呼ばれる裁判がおこなわれました。

国産野菜を保護する目的として、輸入関税法を改正し、輸入野菜の関税を上げたのが裁判のきっかけです。

西インド諸島からトマトを輸入した輸入業者ジョン・ニックスに対して、ニューヨーク港で税金を徴収していたエドワード・L・ヘイデンはトマトを野菜とみなし、関税を課したのです。

ジョン・ニックスは支払いに応じたものの、トマトは植物学的には果物であることを主張し、税金を課すべきではないとヘイデン氏を訴えました。

植物学的に果物の定義は、植物の花が咲いた後にできた果実で実の中に種があることです。

つまり、トマトは果物の定義に当てはまるとニックスは主張します。

裁判は最高裁まで争われましたが、結果的にトマトは野菜畑で育てられデザートにはならないという理由から、野菜であると判決がくだりました。

ニックス・ヘデン裁判によって、アメリカでトマトは野菜に分類されているわけです。

アメリカではピザも野菜

アメリカでは、ピザも野菜の分類です。

アメリカの学校では、冷凍食品やピザやハンバーガーチェーンのメニューを給食として子ども達に提供しています。

日本の給食とは、まったく異なりますね。

ジャンクフードばかり食べていたため、2008年の統計ではアメリカの1/3の子どもが肥満に分類されたのです。

当時のアメリカ大統領夫人であるミシェル・オバマ氏は、1/3の子どもが肥満という状況に危機感をもち、健康食推奨の活動をおこないます。

ところが、ピザチェーンなどのジャンクフード運営側は、大さじ2以上のトマトペーストは野菜だと主張しました。

トマトペーストは1/2カップ以上から野菜とする改正案が検討されたのです。

ところが、ジャンクフード運営側は、1/2カップ以上トマトソースを塗るのはおいしくないと反論しました。

結果、ジャンクフード運営側の主張が認められ、2011年にトマトソースをたっぷり使ったピザは野菜だと法律で制定されました。

フルーツトマトは野菜と果物どっち?

果物を連想させるフルーツトマトも野菜の分類です。

そもそも、フルーツトマトは品種名ではありません。

特別な方法で栽培された糖度の高いトマトを、フルーツトマトと呼びます。

糖度がどれくらい以上のものをフルーツトマトと呼ぶか正式に決まっていませんが、8度以上のトマトがフルーツトマトの目安です。

フルーツとはつきますが、日本においてトマトは野菜に分類されます。

まとめ

日本において、トマトは野菜の分類です。

野菜か果物かについて明確な定義はありませんが、野菜生産出荷安定法では消費量が多い指定野菜にトマトを含んでいます。

さらに総務省の日本標準商品分類において、トマトは野菜の分類です。

野菜は、苗を植えてから1年で収穫する草本植物ですが、果物は2年以上栽培する草本植物および木本植物かつ、果実を食べるものが条件です。

トマトの分類は国によってさまざまですが、アメリカでは裁判が起こるほど、トマトの分類は難しいとされています。

悩むところですが、日本でトマトは野菜と頭に入れておきましょう。

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